リハビリテーション科の取り組みと活動

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促通反復療法(川平法)への取り組み

リハビリテーション科では、この度、鹿児島大学大学院医歯学総合研究科客員研究員、鹿児島大学 川平和美名誉教授をお招きしまして、新戸塚病院リハビリテーション科と合同で脳卒中の後遺症に有効とされる促通反復療法(川平法)の講義・実技指導をしていただきました。
促通反復療法(川平法)の理論と講義・実技内容を紹介いたします。

はじめに

促通反復療法(川平法)とは、脳卒中後遺症などの麻痺症状に対し、随意運動(自らの意思による運動)を実現するために、必要な神経路を再建/強化することを目的に、各関節運動に対し一定回数(100回以上)促通反復することによって効果を得るものです。

特に、脳卒中や脊髄損傷等による上下肢、手指の麻痺に有効とされ、促通反復療法(川平法)と電気刺激療法・振動刺激療法等の併用によって、急性期・回復期の対象者はもちろんのこと、回復スピードが弱まるとされる慢性期の対象者にも効果が期待されています。

川平和美名誉教授の臨床研究

当院で促通反復療法(川平法)実技研修を開催して頂いている川平和美先生が、平成28年4月4日(月)に促通反復療法研究所(川平先端リハラボ)を開設いたします。

川平 和美 プロフィール

  • 鹿児島大学 名誉教授
  • 鹿児島大学大学院 客員研究員
  • 国際医療福祉大学大学院 特任教授
  • 藤田保健衛生大学大学大学院 客員教授

無作為化比較試験でも従来よりも改善度大きい

回復期病棟に入院している患者を対象に促通反復療法または従来の治療を無作為に割り付け、40分/日、5日/週の治療を行い、4週間の治療効果を比較しました。麻痺の改善度は促通反復療法群が通常治療群より有意に大きな改善を示しました。つまり、促通反復療法は従来の治療よりも麻痺を大きく改善させました。麻痺手の物品操作能力も通常の治療に比べて、促通反復療法の改善が有意に大きかったです。

これまで、麻痺が少し改善したとしても、日常生活では役に立たないという諦めが背景にありました。この研究では日常生活の動作をFIM(機能的自立度評価表)で評価していますが、下肢への促通反復療法群が通常治療群よりFIM総合項目と歩行を含む運動項目で有意に大きな改善を示し、手指への促通反復療法群は手を使うセルフケア項目で大きな改善傾向がありました。

電気刺激療法や振動刺激療法併用は強力な治療に

促通反復療法の際に弱い電気刺激を加えると、治療効果は劇的に向上します。促通反復療法と弱い筋収縮が生じる程度(閾値レベル)の低周波電気刺激との併用、バイブレーターなど振動刺激による併用療法において、歩行訓練も中殿筋への持続的電気刺激と促通反復療法の歩行促通の手技を併用した歩行訓練を行い、反復起立訓練や健側強化訓練も同様に持続的に低周波を入れて、効果的で効率的な治療の開発と導入を積極的に行いる。

振動刺激痙縮抑制法と促通反復療法との併用療法も大きな麻痺の改善を得ている。2週間の併用療法でSTEF(簡易上肢機能検査)の点数が10点も改善し、指タップ数/30秒が20回も増加し、この改善は振動刺激痙縮抑制法の併用をやめても元に戻ることはなかった。振動刺激で痙縮抑制のみを繰り返しても痙縮や麻痺の大きな改善は得られない。

歩行訓練は健側強化と健側立脚重視が基本

目標とすべき歩行は、障害レベルに合った歩行で、
(1)転倒しない、何年経っても関節の変形や痙縮が増悪しない
(2)実用的な歩行速度
(3)体を揺すったり、麻痺側下肢を振り回すような歩容の異常が少ない

この歩行を獲得するために重要な点は以下の通りである。
(a)健側下肢で安定した立脚ができるようにすること。
健側強化のため反復起立訓練100 回/日以上、従来の歩行訓練で重視してきた患側負荷重視「麻痺肢に体重をかけて」を求めない。
(b)歩行の回転を上げること:促通反復療法にある歩行促通法で麻痺肢の振り出しと立脚を促通する。
(c)下肢装具や杖を用いて円滑な重心移動を行う。


川平名誉教授
イムス横浜狩場脳神経外科病院・新戸塚病院職員

今後、当院リハビリテーション科では、急性期から回復期リハビリ、外来リハビリにおいて、促通反復療法・電気刺激療法・振動刺激療法を取り入れて、病院理念である『患者さまが納得して満足する医療を提供できる病院』を目指していきます。

文責 リハビリテーション科 技士長 福留大輔・小峰一宏

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